不登校の子を持つ親から「先生に相談したけどダメだった」という話を、この20年間、さんざん聞かされてきました。
毎回、思うことがあります。
私が知るかぎり、不登校を“解決”した先生はほとんどいませんよ、と。
Contents
- 1 先生には「不登校理由」が見えない?
- 2 不登校経験者は4人に1人が先生との関係が理由
- 3 学校の先生たちは不登校の実態が全く見えていない
- 4 先生が不登校の子と良好な関係を築けないことにはいくつかの理由があります。
- 5 不登校対応を先生に頼ってもなかなか進展しない…
- 6 不登校の親が集まる会合
- 7 親自身が子育て失敗を実感し親の会に参加
- 8 親の会では専門家の講師はいない
- 9 親の会は経験者どうしなので具体的な対策が飛び交う
- 10 不安や焦りがあるときは実際に親たちが経験したエピソードが役立つ
- 11 本で知識を得るより不登校の実感のこもった話の方がいい
- 12 自分が不安で耐えられないから不登校の子どもをどうにか変えたい
- 13 不登校の子どもを持つ親に見られる特徴
- 14 論理的かつ批判的
- 15 せっかち・効率性を重視する
先生には「不登校理由」が見えない?
昨年『不登校新聞』では文部科学省の不登校調査を問題にしました。なぜ不登校になったのかという理由について「先生との関係」と答える割合が、子どもと先生の間で大きな差が出てくるのです。
不登校経験者は4人に1人が先生との関係が理由
不登校経験者は4人に1人(全体の26.2%/2006年度追跡調査)が「先生との関係」が、不登校の理由になったと答えました。
一方、学校(先生)に、生徒たちの不登校理由を報告してもらうと、「先生との関係」を理由に不登校になった生徒は1.6%、62人に1人にすぎませんでした(06年度調査)。
ともに文科省の調査ながら、その差16倍。分析を担当した教育学者・内田良氏は「生徒本人は教職員との関係に『原因あり』と感じていても、先生はそのことを自覚していないと言える」との見解を示しました。
学校の先生たちは不登校の実態が全く見えていない
ひらたく言えば「先生からは不登校の実態が見えていない」ということです。ただし、私は「先生の資質に問題がある」とは思っていません。いまは先生たちの忙しさも問題になっています。先生自身には問題がないけれども、先生と不登校の子は良好な関係づくりが難しく、先生が実態を見るまでに至らない。そう思っています。
先生が不登校の子と良好な関係を築けないことにはいくつかの理由があります。
・ほとんどの先生が不登校の多数の子と頻繁には会っていない
・不登校の子が嫌がっている学校復帰を先生は求めてしまう
・毎日、会えることを前提とした先生の指導スタイルが不登校の子には通じない
不登校対応を先生に頼ってもなかなか進展しない…
こうした理由が関係づくりを阻んでいます。もちろん、これらを解決したいと思っている先生も多いのですが、中学校教員の8割が「過労死ライン」の月100時間超の残業をこなしているなど、対応に必要な時間も確保できません。残念ながら、不登校対応を先生に頼っても、なかなか進展しない現状が生まれているのです。
不登校の親が集まる会合
不登校の親たちが集まる「親の会」は実例の宝庫です。Aさんは、息子が中学3年生から不登校。不登校になるまでは明るくハキハキした子だったそうですが、しだいに元気を失っていったそうです。
学校から帰ると息子はふさぎ込むようになり、「学校のものに触るとジンマシンが出る」とも言いだす。ある日、家のなかで暴れだし、パソコンや窓をひたすら壊す、という事態になったそうです。
親自身が子育て失敗を実感し親の会に参加
「子育てを失敗してしまった」
Aさんは、そう思い悩み、通い始めたのが、親の会です。
親の会では専門家の講師はいない
ほとんどの親の会では「講師」を担う専門家はいません。ふつうのお母さん、お父さんたちが集まり、自身の経験を話し合うのが一般的です。
一見すると「具体的な対策が見えないのではないか」と思うかもしれませんが、親の会は経験者どうしなので非常に実践的な意見が飛び交います。
親の会は経験者どうしなので具体的な対策が飛び交う
「学校への出欠連絡は担任と話し合って『学校へ行くときだけにする』と決めたほうが楽」
「親が『とてもいい学校だ』と思っても、子どもが進学を求めてないならパンフレットはすぐに見せなくていい」
不安や焦りがあるときは実際に親たちが経験したエピソードが役立つ
言われれば簡単なことかもしれませんが、不安や焦りが講じているときは、こうしたハウツーも役立ちます。また、ハウツーよりも役立つのが実際に親たちが経験してきたエピソードです。
「何度も怒って子どもを問い詰めてしまった」
「無理に子どもを引きずって学校へ連れて行き苦しめてしまった」
本で知識を得るより不登校の実感のこもった話の方がいい
Aさんは「本で知識を得るよりも、実感のこもった話を聞くほうが断然よかった」と言います。
使い古された言い回しですが「自分だけじゃなかったんだ」と。“失敗談”も、うまくいった話も、共感できる話も、それを聞いたからといって過去のことをやり直せるわけではありません。
しかし、ほかの人の話を聞くことで「自分のことが冷静に見えてきた」とAさんは言います。
自分が不安で耐えられないから不登校の子どもをどうにか変えたい
Aさんが見えてきた「自分」とは「自分が不安で耐えられないから、子どもをどうにか変えたい気持ち」だったと言います。
自分自身が見えてきたとき、息子の気持ちも少しずつ見えてくるようになったそうです。それは自然と子どもの気持ちの沿った対応にまりますし、子ども自身が元気を取り戻していく過程へと進むことになったそうです。
やはり大事なのは経験値であり共感です。親の会は全国各地に少なくとも200団体以上あると言われています。古い団体では30年以上の歴史を持つ会もあります。不登校に悩んだときは、ぜひ親の会のドアを叩いてみてください。
不登校の子どもを持つ親に見られる特徴
不登校の子供を持つ親御さんにはいくつかの共通点があるものです。
もちろん、必ずすべての親御さんが当てはまるというわけではありませんが、だいたいの親御さんが当てはまる特徴があります。
その特徴をこれからいくつかピックアップしてご紹介します。
論理的かつ批判的
まず多く見られるのが「論理的かつ批判的」という特徴。
物事をロジカルに考えて
「これはこうだからこうなる。だからこうしなければならない」
という思考に支配されている親御さんは多いものです。
もちろん、そういう親御さんばかりではありません。直感優先で生きている人・ボケーッとしている人・癒し系の人・物事を深く考えない人……など、ロジカルとは正反対のタイプの親御さんもいます。
ただ、私が今までサポートしてきた親御さんの多くは論理的かつ批判的な精神の持ち主でした。たとえ表面的に正反対のタイプに見えても、傾聴をつづけて心の深い部分まで見えてくるとそこにはベットリと論理・批判がこびりついていることが判明するものでした。
あえて断言しましょう。
不登校の子供を持つ親御さんの多くは論理的かつ批判的な思考で子供を裁いています。
まるで裁判官のように「これはこれこれこういう理由でダメ」「これはこうだからもっとこうすべきだ」と裁き、心の初期設定が「イライラしやすい状態」にセッティングされてあります。
そのため、心が落ち着かず、不安定で、ときには裁く気持ちが顔の表情や声のトーンに表れ、最悪の場合「これはこうすべきでしょ!!」なんて子供に言ってしまうんですね。
それで心を閉ざした子供が親に何も話さなくなり、何も話さないから親は上手くサポートできず、不登校が悪化するばかり……
という事態に陥っているのが典型的なケースです。
今これを読んでいるあなたも心当たりがあるなら、論理的・批判的な思考をゆるめてください。
まずは、人生には無駄も必要であることを思い出しましょう。
遊びって、無駄だから楽しいですよね?
友達とバカ話するのって無駄でも楽しいですよね?
子供が赤ちゃんの頃、作った料理を食べてくれなかったり、喜ぶと思って買ったおもちゃがまったく喜ばれなかったり、たくさん無駄がありましたよね?
人生には無駄も不可欠で、そのどれもが輝いています。
それから、頭を使わない活動を少しでもいいので増やしてみましょう。
森の中を歩くとか、星空を眺めるとか、砂浜でのんびり寝そべるとか。そういったことをしてみるだけでも、ロジカルに固まっていた思考がほぐれていきますよ。
論理的・批判的な思考がベースになっていると、その思考の暴走で「何がなんでも子供を学校に行かせなければならない!!」という思いだけが前に出てきて、子供の気持ちを理解できません。(親御さんによっては、理解しようとすらしないでしょう)
そんなことをしていたら、子供はいつまでたっても親に心を開かず、不登校解決には向かいませんよ。
前述の方法で論理的・批判的な思考をゆるめてみてください。親が論理的・批判的な思考をゆるめただけで子供が不登校解決に向かいだすケースはたいへん多いので、だまされたと思ってやってみることをオススメします。
せっかち・効率性を重視する
論理的かつ批判的な思考が染み付いているためでしょうか。
せっかちで効率性を重視する親御さんも多いものです。
なんでも手早く済ませたい、無駄が嫌い、そんな親御さんがよく不登校相談にいらっしゃいます。
そういった親御さんの大半は自覚されているのでしょう。
話の端々でこんなことを言います。
「私せっかちなんで」
「子供を見てると、どうしてもっと効率よくできないの!って思うんです」
その言い草には誇りのようなものさえ感じます。
申し訳無さそうに言いながらも、どこか誇らしげなのです。
もしかしたら、スピーディーに処理して生きている自分に酔っているのかもしれません。
せっかちで効率性を重視する傾向。それは悪いことではありません。
むしろ、そういった特性を持つ人材が歓迎される環境・場面は多いでしょう。
効率的にササッと済ませてくれる人がいてくれると助かる事務の仕事、集合時間に遅れる人がいると困ってしまう団体旅行、そういった環境・場面ではせっかちなくらいの人のほうが周りに迷惑をかけないはずです。
その他にも、急いでいる時にはいち早く目的地に着こうとするタクシー運転手のほうが助かるでしょうし、時間の余裕がない時には素早く家事を済ませる主婦のほうがありがたいでしょう。
ですから、せっかちで効率性を求める性格は悪いものではありません。
ただ、何事もバランスが大事であって、それが行き過ぎるとまわりとの調和がはかれません。
もしも、親の行き過ぎたせっかちさと効率性重視が家庭の歪みを生んでいるなら、そこはバランスをとっていったほうがいいでしょう。
これは私のこれまでの不登校サポート経験から言えることですが、親の行き過ぎたせっかちさと効率性重視の生き方が子供へのプレッシャーとなり、それによって不登校が生じているケースもたいへん多いものです。
厳密に言えば、親が過剰にせっかちで効率性を重視するため、その偏りを否定する気持ちが子供の心で高まり、心で否定するだけでなく行動で否定し始めるんですね。
不登校という「非効率な行動」で。
ですから、親がせっかちさと効率性重視の姿勢を少しゆるめただけで子供が学校に行き始めるケースもあります。非効率であることの“役割”が必要なくなったため、不登校も抜けだしてしまうのです。
にわかには信じがたいかもしれませんが、これほど親の性格変化は子供の行動を変えるんですよ。
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この度は僕のブログを読んでいただきありがとうございます。
当ブログは不登校だった僕が受験勉強で死ぬほど人生変わったので、そのことについて一部始終書いています。
もし今不登校で自分の将来に悩んでる方が見て、少しでも勇気が出たら嬉しいです。
ちなみに僕の人生が変わったきっかけはこのブログを見てからなので興味ある方は是非↓
【慶應早稲田なんて簡単だ。最後にSFCに2ヶ月で受かった個別指導生徒とのLINE@の案内あり。】
さらに僕が受験勉強する上で影響受けた動画はこちらです。