不登校児は全国に約17万人

文部科学省における不登校の定義

 

現在不登校の子どもの数は、中学校においては1クラスにつき1人の割合であり、小学校においても300人に1人の子どもが不登校だという事を統計が示しています。

学校という場所に行き辛さを感じる子どもの数は多い

減少傾向にあると言われる不登校ですが、その背景には、教室には入れない保健室登校の子どもの数や、適応指導教室と呼ばれる場所に通う子どもの数を出席者扱いにするという文科省の方針転換があり、学校という場所に行き辛さを感じる子どもの数は決して減少傾向にあるとは言えません。

“個性”よりも”基準”が偏重されてしまう現実

 

こんなお話をご存じでしょうか?

プロクルステスはギリシャ神話に出てくる強盗です。彼は一台の寝台を持っていて、自分のアジトの前を通りかかる旅人に、「休ませてやろうか」と声をかけま す。そして隠れ家に連れて行き、寝台に寝かせます。もし旅人の体が寝台からはみ出したら、その部分を切り落とし、逆に寝台のサイズに合わなかったら、体を 引き延ばす拷問にかけたと言います。

『プロクルステスの寝台』というこのお話はギリシャ神話ですが、日本でも、無理やりに基準に一致させようとするときの比喩として、よく使われているようです。

日本の教育システムの中では、7歳になったら就学が義務つけられている

 

現在日本の教育システムの中では、7歳になったら就学が義務つけられています。 チャイムが鳴ったら席に着き、姿勢を正して先生の話を聞くことに始まり、学校の中にはたくさんの決まりごとが存在しています。

授業は学習指導要領にのっとり進められる

 

授業は学習指導要領にのっとり進められるため一人一人の理解度に合わせていくことはできません。
分からないことを分からないままにして進められる授業の中で、子どもの本来持っている学習への意欲というものが奪われることもあるでしょう。

生活指導という名目での厳しい服装や髪形などへのチェック

 

中学生になれば、生活指導という名目での厳しい服装や髪形などへのチェックが行われます。校則違反ということで、登校を認めてもらえないケースもあります。

「基準に合わないから」と子どもを校門や教室から締め出すといった現実

 

学校は、社会への適応能力を学ぶ場であると同時に、本来子どもの居場所であるべきです。しかし、子どもの理解度を無視した早さで進められる授業の在り方や、「基準に合わないから」と子どもを校門や教室から締め出すといった現実を聞くとき、そこには子ども達個々の在り方を尊重するというより、プロクルステスの寝台のような無理が存在しているような気がしてきます。

適応指導教室という受け入れ先

 

教育委員会が設置する適応指導教室という場所では、不登校になった子ども達が本校に復帰することを目標に、様々なサポートや学習支援が行われています。

不登校の子どもは、学校システムに不適応な子ども

 

ですが、不登校の子どもは、学校システムに不適応な子どもであり、適応していけるように指導が必要なのだという意味が、この「適応指導教室」という言葉の 中に含まれているように感じます。こういった考え方にも、定められた基準に一致させようとしている無理があるように思えてなりません。

学校に行き辛さを感じた子ども達に対して、こういった指導の在り方が適当なのか疑問です。ここでもプロクルステスの寝台の話のような生き辛さを感じてしまうからです。 適応指導教室と呼ばれる場所以外にも、子どもの居場所を探してみる…、そんな柔軟性が今はまだ必要なのかもしれません。

極端な対応になっていませんか?

 

こんな話をすると、思考が偏りがちな親御さんは極端な対応になります。

例えば、子供がこんな質問をしてきた時。

子供:「お母さん、この先どうすればいいのかなぁ? これだけ欠席して勉強も遅れてるから、普通に大学に行くのは無理なのかなぁ?」

こういう質問をされた時、

「そうだ、そうだ、こういう時、子供自身で考えさせることが大事なんだ」

と短絡的に考えて、何も答えないのです。

そういう親御さんは、極端な対応にならないように気をつけましょう。

子供自身で考えることが大事ですが、だからと言って“情報”を教えてあげることは悪いことではありません。例えば、こんなふうに“情報”を提供したら、子供の心にどんな変化が起きるでしょうか?

母親:「欠席日数が多くて勉強も遅れている状態から普通に大学に行った人のこと、お母さん、知ってるよ」

こんなふうに言われたら、子供の思考が広がるかもしれません。
そして、こんなことを聞いてくるかもしれません。

子供:「でも、それって誰も知らないような無名の大学でしょ?さすがに誰でも知っているような有名大学に通ったわけじゃないでしょ?」

この質問が出てきたら、親としては子供の思考を深く知る手がかりをつかめます。もしかしたらこの子は有名大学に行くことにこだわっているのかもしれない……と。

そうして推測を働かせ、こんな情報を追加したらどうでしょう?

母親:「お母さんが知っている人で、高校中退して高卒認定とって早稲田に合格した人がいるよ。なんか、勉強法を大幅に変えてうまくいったみたいだけど」

子供は「その勉強法ってどんなやつ?」と聞いてきて、その勉強法を知ることで猛烈に勉強を始めるかもしれません。

何が起爆剤になるかわからないところも、不登校対応の面白いところです。

「事実性」に目を向ける

 

何を答えて何を答えないほうがいいか。
その判断の目安となるのは「事実性」です。

誰が答えても変わらない事実なら、情報を回答として出してあげる。
そうではなく答えが無数にあって本人が決めたことが正解となるものは、答えない。

そんなふうに考えれば、判断しやすいのではないでしょうか。

そういう意味で、親ができる限り幅広く情報を頭に入れておくことは重要です。特に、不登校改善事例を豊富に知っていれば知っているほど、不登校対応ではアドバンテージになるでしょう。

ちょっと奥深いのは、情報に親の主観を混ぜると逆効果になる点です。

例えば、前述の例で、親の心が「無名でも有名でもとにかく普通に大学に進学するのがベスト!」と偏った気持ちになっていたらどうでしょうか?

その場合、情報に主観を混ぜて伝えてしまうかもしれません。

「普通に大学、行けるよ!欠席日数が多くて勉強も遅れている状態から大学に行った人のこと、お母さん、知ってるよ!大学行きたいの!?」

直接何か言うわけじゃなくても、気持ちが「大学進学=ベスト」に傾いているので、その気持ちが表れた顔や声でコミュニケーションをとってしまうのです。

すると子供の心は「やっぱり大学進学がベストだよなぁ」と傾いてしまうかもしれません。“自分の正解”を見出す生き方ではなくて、“親の正解”に染まる生き方にとどまるのです。

その結果、半自動的に「今の自分じゃ大学進学なんて無理だ!」という気持ちが生じ、再び現実逃避する形にとどまる可能性が高まります。

そうして逆に不登校長期化に向かってしまうのです。(=逆効果)

だからこそ、主観と客観を切り分ける意識が必要で、その思考のもとに客観的な“事実”だけを情報として答えるコミュニケーションの取り方が効果的なんですね。

なぜ、歳を取ってから「不登校に似た状態」が再発するのか?

自分で答えを出す機会を奪われたまま半ば無理やり一時的に不登校脱出した子供は、いつになるかはわかりませんが「話が違う!」と荒れ狂う時がきます。

例えば、親が「大学進学がベスト」と考えていて、それに染まるように子供が大学進学を目指し、不登校を抜け出し、実際に大学進学した場合。一時的には万々歳だと思いますが、その幸せは長く続きません。

「自分で決めたことが自分の人生に関する正解になるんだ……」と気づくまで成長した時に、“親の正解”を生きてきた自分に絶望するのです。

そして、

「話が違う!お父さんお母さんは大学進学がベストだって言ってたじゃないか!でも、自分の人生に大学進学は必要じゃなかった!もっと自分の才能を輝かせることを10代でしていたかった!ふざけるな!!」

なんてアホみたいなことを言い出し、結構な年齢になっているのに会社を辞め“自分探し”を始めたりします。

結局、不登校に似た状態が再発するだけ。
問題の根本は何も解決していなかった……ということになるのです。

当たり前のことですが、学校のテストと違って人生の正解は1つではありません。人生におけるいろんなことが複数の正解で成り立っていて、そのうちどれを選ぶことが正解になるかは人によって違ってきます。(というより、自分で選んだものが正解となります)

それなのに、多くの親御さんが子供の質問になんでも答えてしまう……

それで“親の正解”に誘導してしまい、根本からの不登校改善にならなくなっている……

そうして不登校問題は解決が困難になっているのです。

この状況の厄介なところは、子供の意識にもあります。

子供も子供で「考える難しさを避けたい意識」があって“親の正解”に染まるのがラクだと感じている側面もありますから、余計に解決が困難なのです。

要は、不登校問題は親子共同で悪化させやすい状況にある、ということですね。

根本からの不登校解決を目指すなら、親の主観を離れ、事実として教えられる情報だけ教え、子供が自分で“正解”を出すことを促すサポートのしかたをしましょう。

不登校の子どもを無理やり動かそうとしない

 

不登校の子供はただでさえ無理をしています。不登校になる前ずっと無理をしてきて、不登校になった直後も精神的に無理をしているケースが大半です。

ですから、そこに親の“無理やり”が加わると子供は耐えきれません。自分でも無理をしていて、そこに親からも無理を強いられるのですから、キャパシティーオーバーなってしまい精神的に崩壊してしまうのです。

そうして、あっという間に不登校悪化→長期化へ。大半の不登校事例が短期間で解決しない原因はここにあります。

不登校直後、子供を無理やり動かそうとするのはお勧めしません。無理やり動かそうとするのではなく、子供が自ら動きたくなるようにサポートしていきましょう。

そのサポートのしかたは奥が深いものなので一口では説明できませんが、まずは子供の話を聴くことに集中するだけでもOK。子供を無理やり動かしたくなったら、そこで頭を切り替えて「子供の話を聴く!」と転換する。その心がけがあるだけでも、子供の“動き”は全く違ったものとなり、短期間で不登校を抜け出す可能性が高まります。



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この度は僕のブログを読んでいただきありがとうございます。

当ブログは不登校だった僕が受験勉強で死ぬほど人生変わったので、そのことについて一部始終書いています。

もし今不登校で自分の将来に悩んでる方が見て、少しでも勇気が出たら嬉しいです。

ちなみに僕の人生が変わったきっかけはこのブログを見てからなので興味ある方は是非↓

【慶應早稲田なんて簡単だ。最後にSFCに2ヶ月で受かった個別指導生徒とのLINE@の案内あり。

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