発達障害による不登校の現状

コミュニケーションをとることを苦手とする発達障害の子ども

 

周囲とうまくコミュニケーションをとることを苦手とする発達障害の子どもが、不登校や引きこもりといった状況に陥ることは少なくありません。実際の現状と、そういった場合に周囲はどう対応すべきかについて解説します。

発達障害による不登校(引きこもり)の現状

 

発達障害を持っている子どもは、普通の子に比べて不登校リスクが高いと言われています。調査結果によって数値にばらつきがありますが、2007年には不登校の子どものうち 6%がアスペルガー症候群、67%が広汎性発達障害…という統計が出たこともありました。

20人に1人を超える比率で、不登校リスクが高いとされる発達障害

 

文部科学省は小中学生全体の6%以上が特別な支援を必要としている、という統計値を出しており、発達障害による不登校リスクは決して人ごとではありません。現実問題として、20人に1人を超える比率で、不登校リスクが高いとされる発達障害の子どもがいるのです。

しかし、発達障害を過度に恐れる必要はありません。発達障害の症状を理解し、徐々に社会適応を進めていけば、大部分は問題なく生活できるまでに順応していきます。あくまでも「普通より不登校になりやすい繊細な子ども」と認識するべきで、必要以上に不安視することはないのです。

発達障害による不登校児への対応方法

 

発達障害というのは社会の中で生活していく上で、決して小さくないハンディキャップです。しかし、発達障害を持っていても不登校にならない子どもは存在しますし、逆に発達障害を持っていなくても学校に行けなくなる子もいます。

「発達障害だから不登校になる」というわけではない

 

要するに、「発達障害だから不登校になる」というわけではないのです。もちろん「不登校の子どもは発達障害である」という考え方も成立しません。

発達障害を持っている子どもは学校に馴染みにくい

 

ただ、発達障害を持っている子どもは学校に馴染みにくい、というのは事実であり、学校へ復帰するために一定の支援が必要なのは間違いないでしょう。どのような発達障害を持っているのかを保護者と学校側が正確に理解し、その子に合わせたサポートを行う必要があります。

また、不登校の予防として、あらかじめ同級生やその保護者に、子どものハンディキャップについて知ってもらうということも必要です。

親、教員といった周囲の大人が子どもの個性を尊重してあげられる環境

 

発達障害への理解を深め、親、教員といった周囲の大人が子どもの個性を尊重してあげられる環境を用意すれば、少しずつ状況が改善していくでしょう。

放っておいても学校に行ける不登校

 

親や先生が何か言うことで学校に行けるような子供は、放っておいても学校に行くような子供だけです。

親や先生のアドバイスや登校刺激で登校するようになった成功事例を真に受けて「うちの子も同じ方法でうまくいくはず!」と期待したくなる気持ちは分かりますが、その方法では99%うまくいきません。

親や先生が何か言うことで学校に行けるような子供は、放っておいても学校に行くような子供だけ。そういう子供は親や先生が何か言ったから学校に行ったわけではなく、親や先生が何か言っても言わなくてもどちらにしても結局は学校に行くような子供なのです。

そういう極めてまれなケースの子供まで「不登校の子供」に含めて考えてしまうと対応を誤りますので気をつけましょう。

親や先生のアドバイスや登校刺激で学校に行けるようになる子供は、そもそも「不登校の子供」と呼べるかどうかも分からない「放っておいても登校できる子供」なので、そういう子供の事例は不登校対応全般には適用できないんですね。

もちろん、どんなケースにも絶対に適用できないと断言することはできません。明らかな不登校の子供でも、アドバイスや登校刺激で学校に行くようになることもあるかもしれません。

ただ、その可能性は極めて低いですし、百歩譲ってアドバイスや登校刺激で登校できた場合でも、たいていは長期的に見て逆効果が生じます。私の不登校支援経験上、アドバイスや登校刺激で不登校改善できた事例のほとんどはその後不登校が再発しています(または、引きこもりや出社拒否症など不登校に似た状態の再発)。

その事実を考慮すれば、アドバイスや登校刺激で不登校改善を目指すのは得策ではないとわかるでしょう。(アドバイスや登校刺激などで不登校改善できると断言している不登校専門家はリスキーだとわかるはずです)

ほとんどの不登校専門家は近視眼的で長期的に考える視点がありません。かえって子供の人生を狂わせるカウンセリングを堂々と行なっている不登校専門家もいるほどです。

アドバイスや登校刺激などで子供を動かそうとする不登校専門家には気をつけてください。そういう不登校専門家への相談はお勧めしません。

不登校経験がある専門家

 

まずは、その専門家に不登校経験があるかどうかをチェックしてください。

不登校経験がある専門家なら、不登校対応でどんなことが失敗になりやすいのか、どんなことが不登校脱出につながりやすいのか、そのあたりが“実感”としてわかります。

その実感があるのとないのとでは、比べものになりません。

ただ本や講義などで勉強してきただけの不登校専門家と、実際に自分自身に経験があってその上で勉強してきた不登校専門家だったら、間違いなく後者が強い味方となるでしょう。

親の対応ミスが子供の人生を揺るがすリスクになる点を考えれば、“勉強だけの専門家”は怖くて相談できないはずです。

親御さんの喜びの声の数

 

次に考慮したほうが良いのは、実際に相談した親御さんから寄せられている喜びの声の数々。

実名や顔写真などが公開されているものは偽造されている可能性が高いので、あまり信じないほうがいいと思います。

あなたがどこかの不登校専門家に相談して、その結果、子供が不登校から抜け出したら親子の実名や顔写真とともに喜びの声を公開するでしょうか?

あなたは良くてもお子さんは「元不登校」ということが世間に大々的にバレて、何らかのデメリットが生じるかもしれません。そういうリスクを考えて普通は実名や顔写真などは公開しないはずです。

それなのに実名や顔写真などを公開して喜びの声がホームページなどに掲載されているわけですから、そういうものは疑ってかかるべきです。

それから、どこか不自然な文章で書かれた喜びの声も偽物です。

人間には第六感がありますから、文章を読めばなんとなくの直感で本物かどうかわかるでしょう。なんだかよくわからないけれどこの喜びの声は不自然な文章だな……と感じたらその喜びの声は信じないほうが無難です。

以上を踏まえた上で、ホームページなどに掲載されている喜びの声の数をチェックして、その数が多い不登校専門家を選びましょう。

最も信頼できる不登校専門家は、最も結果を出している不登校専門家です。資格でも学歴でも経験でもありません。結果を出しているかどうかが全てです。

その結果は不登校の子供を持つ親御さんからの喜びの声の数に表れていますから、そこをチェックしてください。

親に精神的に追い込まれる

 

短気、些細なことでイライラしがち。不登校の子供を持つ親御さんに多く見られる傾向です。

<例>
・知り合いの◯◯さんに言われたことが気に食わない(イライラ)
・子供の友達△△君と話していたら、その話し方がモタモタしていて気になる(イライラ)
・夫(妻)に言われた一言でカチンときて怒鳴りつけてしまった(イライラ)

こういった日常の些細なことでイライラしているのです。

そういう親御さんの話を聴くたびに不思議でした。決してその親御さんを批判しているわけではなくて、純粋な疑問として「どうしてそんなにイライラするんだろう?」と不思議に思うのです。

普通の人が何も感じなかったり、イライラしたとしてもわずかな感情で済むところを、まわりが驚くほどイライラしてしまう親御さん。

ほんのささいなことでまわりが引いてしまうくらい苛立つ親御さん。

その様子を見ると

「これじゃあ、お子さんの不登校が長引いてもしかたないよなぁ」

と思います。

説明は不要ですよね。

ちょっとしたことでイラッとする親に、子供は本音を打ち明けたり悩みを相談したりするでしょうか?

する子もいるかもしれませんが、普通はしません。

誰だってイライラされるのは面倒なので、コミュニケーションを避けたくなります。

親とのコミュニケーションを避けるようになれば子供の口数は減り、口数が減れば、親は子供の気持ちを知ることができず的外れなサポートをする羽目に。

それが続けば不登校解決は困難。
悪化・長期化に向かうのみです。

ですから、不登校解決に本気で取り組みたいなら、早急にイライラ癖を直さなければなりません。

些細なことでイライラするマインドを寛容なマインドに変えていくトレーニングを行なったほうがいいでしょう。(1日も早く!)

トレーニングは一人で行なってもいいですが、その場合、挫折しやすいリスクがある点を覚えておいてください。

「一日一時間、自宅でピアノの練習するぞ!」と決めたのに、すぐに面倒くさくなり、いつの間にかやめてしまった…… そんなこと、ありませんでしたか?

「今日からダイエットのために毎日走るぞ!」と決めたのに、雨の日にサボってしまい、気がついたら全く走らなくなっている…… そんなこと、ありませんでしたか?

そういったケースと同じように、一人でのトレーニングは挫折しやすく、上達も遅れるものです。

ピアノやダイエットならまだ自分のことなのでいいかもしれませんが、不登校対応は子供の一生がかかっていることです。モタモタしている余裕はないと考えるのが普通でしょう。

ですから、イライラ癖を改善するトレーニングはできれば専門家のもとで仲間と一緒に取り組んでください。改善しなければ恥をかくような状況に自分を追い込むのです。

そうすれば最短時間で改善でき、子供の人生が大きく狂うリスクも避けられるでしょう。

それでもどうしても一人でやる!という方は、まずは、自分がどういうときにイライラしやすいか、その共通点を紙に書いてみてください。それだけでも自分自身の傾向がわかり、イライラを回避しやすくなりますよ。

人生に対する不安感が大きい

 

人生に対する不安感が大きいのも、不登校の子供を持つ親御さんの特徴です。

自分自身や家族全体の未来に漠然とした不安を感じていて、その不安感が一般の方より少し大きいんですね。

そういう親御さんは、不安感を払拭するためにできる限りの備えをしています。貯金・保険・健康管理……どれも素晴らしい努力です。

ただ、それが行き過ぎているために自分自身の心を窮屈にしていて、子供にまでプレッシャーをかけていることを自覚していません。

人生のリスクをゼロにすることなんてできないのに、リスクゼロを目指しているかのような親御さん。そういう親御さんが不登校相談で多く見られます。

これは、一般的に安定していると言われている職業についている親御さんも例外ではありません。

むしろ、安定した職業についている人ほどその安定が失われた時の恐怖を心の奥底に抱えているものです。

今これを読みながら「私は大丈夫」と思っている人こそ、不安を抑圧している可能性が高いでしょう。カウンセリングで傾聴をつづけていくと、ある時点で相談者の内に抱えた莫大な不安が噴き出してくることはよくあることです。

公務員として立派に働いているのに実は老後の不安が心の奥にたまっていた親御さん、一生困らないほどの資産があるのに自分自身の無能感が不安を生じさせていることに気づいた親御さん、財閥系の大企業に勤めながら健康上の不安におびえていた親御さん……

不安を抑圧していた親御さんは非常に多いものでした。

 

実は、そういった大きな不安感があるために子供の不登校に過剰に反応している側面もあります。自分自身の人生に巨大な不安感が生じているから、子供の不登校という不安材料を受け入れる余裕がなく、キャパシティーオーバーになり、理性を失ってしまうのです。

私が「表面的な対応改善では意味がない」と言い切る理由の1つもそこにあります。

いくら小手先のテクニックを学んでも、根本の自分自身の不安が大きければ落ち着いて子供のサポートをすることはできませんから、根本的なところからの改善が必要なのです。(根本的なところからの改善にはトレーニングが不可欠)

自分自身の人生に対する不安感が大きい気がする親御さんは、まずは、「人生のリスクをゼロにすることなんてできない」と思い出しましょう。

あなたがどんなにがんばっても、病気になるときは病気になりますし、死ぬときは死にます。犯罪にまきこまれるリスクだってゼロにはできないし、すべてを失ってホームレスになる可能性もゼロにはできません。自然災害でたいへんな目に遭う危険性もゼロにはできないでしょう。

人生とは常にリスクがあって、どこかで開き直って生きるしかないのです。

そうして良い意味で開き直ることができれば、心がスッとラクになるはずです。
不安感も幾分和らいできて、不登校という不安材料を受け入れる余裕もできてくるでしょう。

そうして心に余裕ができてくると、精神的に落ち着いて子供のサポートができ、着実に不登校解決へと向かっていけるのです。

繰り返しますが、表面的な対応改善でなんとかなるだろうとは考えないことです。



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この度は僕のブログを読んでいただきありがとうございます。

当ブログは不登校だった僕が受験勉強で死ぬほど人生変わったので、そのことについて一部始終書いています。

もし今不登校で自分の将来に悩んでる方が見て、少しでも勇気が出たら嬉しいです。

ちなみに僕の人生が変わったきっかけはこのブログを見てからなので興味ある方は是非↓

【慶應早稲田なんて簡単だ。最後にSFCに2ヶ月で受かった個別指導生徒とのLINE@の案内あり。

さらに僕が受験勉強する上で影響受けた動画はこちらです。